愛と平和への道

魂の輝きを目指すブログです。

狂気と品格の間

 みなさんごきげんよう♪

 クラシックは特にだと思うのですけれど、歌は、形のないものであるせいか、肉体的年齢を超えますよね。例えば、今度のリサイタルで、糸を紡ぐグレートヒェン、という歌を歌います。これに限らず、歌詞の主人公が16~25才くらいまでの歌が何曲かあります。が、何才になっても、歌い続けるものなんですよね。80歳になってもおかしくないんですね。むしろそうであればあるほど、肉体に隠れて見えない魂の姿があぶりだされてくるのが、歌の素晴らしいところの一つとも思います。今、見えている姿に惑わされずに、音楽そのものである魂を感じる醍醐味があるなと思います。まさにこれも、目に見えないもの。

 それでですね、グレートヒェンは、ゲーテのファウストに出てくるキャラクターで、恋のために狂いかけたハイティーンの女の子です。悪魔に魂を売って、老人からイケメンに姿を変えたファウストに、のめり込んでしまうんですね。グレートヒェンのお兄さんはファウストに殺されてしまいます。お母さんは、ファウストに会うために仕込んだ睡眠薬の量を間違えて死なせてしまいます。そして、ファウストの子も産むのですが、この子どもさえ、殺してしまいます。まさに、坂を転げ落ちるように、身を破滅させていくグレートヒェン。頭の中で、自分のしていることの罪深さと、とにかくファウストに会いたいという衝動とのはざまで、どんどん正気を失いながら思考が堂々巡りをしている様が、グレートヒェンの日常である、廻る糸車を連想させる伴奏に乗って、綴られていきます。

 これを、品格をくずさすに音楽で表現するわけですね。ええ、とても難しいです!歌いがいのある曲です。これが現実なら、やってられないというか、相当まずいわけですが、音楽という芸術もしくはフィクションでガス抜きをすることで、人は正常でいられるのかもしれません。ワクチンみたいなものでしょうか。どっぷり浸らないために、真逆のエネルギーの、邪悪に染まらない崇高な音楽の力で、心が癒されているのだと思います。きっと、思っている以上に、音楽の力は素晴らしいに違いありません。

 シューベルトがどんなイメージで作曲したのか。そこからずれているかもしれません。けれども、もし私が作曲者であっても、演奏家の新たな解釈によって成長していく音楽を、喜びを持って迎えられると思うので、自由に、私なりのグレートヒェンを、表現してみたいと思っています。

 

是非、聞きにいらしてくださいね。

https://www.aokimaria.com/concert/

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